半翅目(Hemiptera) カサアブラムシ科(Adelgidae)

[形態]
 カサアブラムシはフィロキセラ(ネアブラムシ)と同じような特徴で、角状管を持たず、前翅縁紋の先端部の後方は第1径脈と径分脈の結合脈で区切られ、さらに両性世代と単性世代のいずれの雌も卵生であることからアブラムシと区別される。有翅虫が静止するときは、翅を腹部背面に屋根状にたたむことや、ろう物質を分泌することでフィロキセラとも区別される。
 寄主植物は針葉樹で、1次寄主と2次寄主の間を移動するものが多い。1次寄主はPicea属の樹種で、カラマツなどは2次寄主となり、1次寄主の新芽には虫えいが形成されるが、2次寄主に虫えいは形成されない。種によっては、1次寄主あるいは2次寄主だけで生活環をまっとうするものがある。

[虫えいの形状]
 寄主植物は針葉樹で、エゾマツやトウヒに、毬果状の虫えいを形成する。蝋物質を分泌し、虫えいの近くに白い綿状または粉状の蝋物質がみられる。