双翅目(Diptera) ミバエ科(Tephritidae)

[形態]
 ミバエ科に属するハエは、体長が1〜20mmの小形ないし中形で、翅に黄褐色や黒褐色の美しい斑紋を持つものが多い。ミバエという名称は果実に幼虫が入るということに由来するもので、実蝿と書く。しかし、果実ではなく植物の別な部位に潜入するものがあり、果実、茎、葉柄、根、葉、花に大別することができる。この中でも茎や葉柄に入るものが顕著な虫えいを形成する。

[生態]
 ミバエは生理的、生態的な側面から、年1世代で休眠越冬する。成虫はアブラムシの甘露、植物が分泌する蜜や樹液、腐敗した果実、それに水滴などを舐めることが知られている。卵は植物の組織内に産み込まれる。幼虫は類白色ないし淡黄色の蛆で脚が無く、骨格化した口鈎で植物の組織を摂食する。虫えいを形成するミバエの幼虫は虫えい内で蛹化するのが普通である。